建盞

陶磁工芸品ブランド「九段乾工」の創業者である呉興乾さんの作品です。自然光だと黒っぽく見えますが、電灯などの強い光に当たると満天の星空のように輝きます。写真は明るい場所で撮影したもので、実物は写真以上に輝いています。千年以上前、中国が宋(song)という国だった時代の陶磁器は大変美しいものでした。しかし、作り方は現代には残っていませんでした。これを甦らせようと試行錯誤をして出来上がりました。現在この磁器を作れる人は数少なく、貴重な作品となっています。この花器は成型した粘土を乾燥させたあと、艶出し用の液体にくぐらせさらに乾燥という工程を繰り返し、約1500度の高温の窯で焼いて作ります。模様は中国語で「汗毛孔」とよばれ、毛穴から汗が流れるように見えることが由来です。粘土の中の鉄分が高温の釜で溶けて流ることで模様になります。窯の全体の温度が均一出ないとこのようにはなりません。粘土の中の鉄分が多いと焼いた時に割れやすくなるため量産できません。

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